設立1周年を迎えることができました

8月3日で法人成り1周年を迎えることができました。仕事を進める上で、また、会社を運営する上で、これまでとは比べ物にならないほど多くの方にお世話になりました。心より御礼申し上げます。

法人成りのきっかけは、お客様に仕事を提供する上で、安心感を与えたいという思いからでした。しかし、当時描いていた「安心感」は印象の域を出ず、個人とは異なり気軽にやめることができない法人のほうが安心に違いない、という程度のものでした。では、なぜ気軽にやめることができないのか、「安心感」の源泉を何と考えたのか、新人経営者として学んだこと、忘れたくないことを書きたいと思います。

殆どの経営者には当たり前のことですが、法人と個人は、完全に分離されています。会計が完全に分離されているのはもちろん、日々の活動の全ては、法人としての基準で判断します。個人の感情を優先していることはないか、法人として客観的に判断できているか、適切な時間軸(短中長期)で判断できているか、常にレビューを繰り返します。所詮経営1年生の判断ですから知らないことは果てしなくあり、誤っていることも頻繁にあります。この時に、これまでの人脈や新たに繋がったプロの中から信頼に足る人をみつけ、意見を柔軟に聞きつつ判断軸をもって評価することが大事だと実感することが多々ありました。また、法律や理論は拠り所でもありますから、なるべく背景を踏まえ、応用できること。

どんなに小さな会社であっても、会計処理や日々の判断にガバナンスが効いていること、これにより法人として責任ある行動や事業継続につながること、これが安心感の源泉だと考えます。もちろん、仕事をする「個人」の信頼は言うに及ばず。

このように考えが変わってきたことで、直接サービスを提供しているお客様にも新たな価値をお届けすることができれていれば、無上の喜びです。

改めて、仕事を通じて関わった全てのひとや組織に育てていただいたことに、心より感謝しております。全力を尽くしてまいりますので、引き続き宜しくお願いいたします。

また、このような駄文を最後までお読みくださり、ありがとうございます。

キートス!

新年のご挨拶

謹んで新年のお慶びを申し上げます。
旧年中は一方ならぬご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。


 昨年は、コロナ感染症拡大下において、ICTの価値が再認識された年でありました。対面のコミュニケーションが制限された中、あらゆる「やりかた」が見直され、ニューノーマルの実現に向けた試行錯誤が行われました。

 これは、従来の「システム化」とは一線を画すものです。

 さまざまな「しごと」のコアをみつめ直し、このためになすべきことは何かが問われました。無駄を取り払うという発想だけでなく、無駄のように見えることの中に眠る価値に気付かされたのではないでしょうか。
 紙や印鑑を中心としたプロセスは減り、通勤や出張などの移動は減りました。また、対面のコミュニケーションをできるだけ減らすために、コミュニケーションのやり方をより工夫するようになり、会議もオンライン化された上に削減されたと感じます。
 一方で、オンラインであってもなるべく顔を見て話し、「今」の感情が伝わるように心がけました。テキストのコミュニケーションでは配慮や感情を盛り込み、チャットなど、非公式なコミュニケーションを促進するツールを道入した方もいらっしゃるのではないでしょうか。有用な「無駄」は「しごと」の質に役立ち、人を彩ります。ITには、無駄を削減する力も、うまく無駄を作る力もあります。

 ニューノーマルに向けた変化は、当初はやむなく始めたことであり、既存の手段の代替であったと思います。しかし、長期化するに従って習熟がすすみ、徐々に従来の制約から解放する手段と思えるようになったのではないでしょうか。ICTは、はじめて、距離や時間、眼、発想など、人の能力を拡張するものとして、広く認識されるようになりました。

 昨年は、言うまでもなく、非常な制約やストレスを強いられた年でありました。
一方、ICTであなたの世界は広がったはずです。それは、あなたのこれからにどのような影響を与えるでしょうか。

株式会社キートスリンク
代表取締役 久田礼子

キャリアアンカー

「キャリアアンカー」をご存知でしょうか。
キャリアを選択していく上でアンカー(錨)となるもので、どうしても犠牲にできないコンピタンスや動機、価値観のことです。働き方、ひいては生き方の多様性の源泉になるものだと考えています。
マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院の教授であるエドガー H. シャイン博士が提唱した概念です。

キャリアアンカーには、以下に挙げるような種類があります。
・専門・職能別コンピタンス(スペシャリスト)
・全般管理コンピタンス(ゼネラルマネジャー)
・自律・独立
・保障・安定
・起業家的創造性
・奉仕・社会貢献
・純粋な挑戦
・生活様式

自分がどのタイプに属するかは、予め定義された40項目の質問に答えれば簡単に自己診断できます。私は初回は書籍の質問表を見ながら診断しましたが、診断サービスを提供しているウェブサイトもありますし、エクセルツールもあるようです。

自分のタイプを知ることで、価値観を可視化し、意識することにつながり、判断軸をくっきりさせる効果があると思います。同僚に診断を勧めたこともありますが、部下や同僚のキャリアアンカーを知ることで、コミュニケーションの取り方、仕事の割り振りを考える材料にできると思います。

私自身は、キャリアに疑問をもつタイミングや、棚卸しを行いたいタイミングなどに数年おきに診断していますが、どうも少しずつ変化してきているようです。あるタイプに極端に偏ることもあるし、複数のタイプの傾向のバランスがじわりと変わることもあります。診断した時々の短期的な傾向で気分が変わることもあるでしょうし、経験を受けて変化することもあるのでしょう。

ところで、キャリアアンカーの真価は、タイプを診断後に実施する、これまでのキャリアに向き合うインタビューにあると思います。
教育、最初の仕事、キャリア上の転機等々について、以下をインタビューしていきます。
1)何を実施したか 
2)それに何を求めたか、選択の理由 
3)望みや長期的な目的 
4)目的に照らした評価
「転機」には、教育、就職、転職などのほか、転機となった仕事・人との出会い・経験など様々なものがあると思います。選択は、自分の意思による場合もあるでしょうし、意図に反したものもあるでしょうが、いずれにしても自分のキャリアです。それに対してどう考えたのかが自身を形づくります。キャリアが長い人は、印象に残ったTOP5などを書き出し、それら経験に対して実施するとよいかもしれません。
インタビューは、パートナーを見つけて実施することが推奨されていますが、私はセルフインタビューを行いました。他者の視点が入るとよいのでしょうね。(参考:ジョハリの窓)

当初は、診断したアンカーのタイプと、インタビューの結果に脈絡がないように見えました。ですが、数年後にメモを読み返したときに、一連の筋が通っているように感じる箇所もありました。見え方が変わることも自身の変化なのかもしれません。

100年時代、キャリアは長いものですし、変わり続けることで存えるのだと思います。
気楽に、焦らずに、自身を客観視してみてはいかがでしょうか。

ご参考:
エドガー・H. シャイン (著), 金井 寿宏 (翻訳)(2013)「キャリア・アンカー―自分のほんとうの価値を発見しよう (Career Anchors and Career Survival) 」

長文になりましたが、お読みいただきありがとうございます。

Kiitos!

ITコーディネーターという仕事

自己紹介をすると、「ITコーディネータって何ですか?」と聞かれることがよくあります。

ITコーディネータとは経済産業省が推進する資格で、認定者は特定非営利活動法人ITコーディネータ協会です。では、何をしてくれる人なのでしょう?

ITコーディネータ協会のHPには、「ITコーディネータはIT経営を実現するプロフェッショナルです。」と書かれており、自分では「経営とITの橋渡しをする人です。」と説明することが多いです。分かったような、分からないような説明ですね。

ITは徐々に経営に欠かせないものとなってきました。活用が進んでいないと仰る企業さんでも、メール、オフィスツール、スマフォアプリ、会計ソフト、給与ソフトなどを利用していることは多いでしょうし、受発注にシステムを利用していることもあるかもしれません。コロナ禍で、オンラインの会議システムやクラウドストレージを導入した企業もあるかもしれません。RPA、AIなど新しい技術に興味を持っていながらも、新しい技術は自社に無関係だと切り捨てている企業さんもあるかもしれません。

業務上の課題をITシステムで解決しようとする際、みなさんはどうしますか?ホームページやチラシでよさそうなパッケージツールを見つけ、話を聞くでしょうか?本当は、ITシステムは不要で、業務のルールを整備するだけでよいかもしれません。パッケージベンダーの話を聞いても、説明が十分理解できない場合もあるでしょう。パッケージソフトがこれまでのやり方にぴったりマッチしない場合は、費用を払ってパッケージソフトを変更してもらうのがよいでしょうか?パッケージソフトのルールに業務をあわせるべきでしょうか?どう説明すれば、パッケージベンダーに自社固有の業務や課題を分かってもらえるでしょうか?セキュリティに関するオプションは何を付けるべきでしょうか?いろいろ悩むことが多いと思います。

ITコーディネータは、経営側の立場に立ち、経営・業務サイドとITサイドの仲立ちをする仕事です。具体的な困りごとに対応してITをどのように活用したらよいか(あるいは、活用しないほうがよいか)判断する手助けを行うこともあります。ITシステムの導入を手助けしたり、ITシステムを開発することもあります。技術動向などの環境変化にあわせて、将来像を描く手助けを行うこともあります。

ITコーディネータは人により様々な専門分野を持っているので、イメージを具体化するために、まず幅広に相談してみるのがよいと思います。

読んでくださって、ありがとうございます。

kiitos !

変化を後押しする仕事

 少し前のこと。

 お客様の業務ヒアリングを行い、現場の方々と会話を行った結果などを踏まえ、1年ほどかけていくつかの施策を行いました。施策には、すぐに改善効果が現れるものだけでなく、導入にあたって抵抗を受け効果が鈍いものもありました。そこで、導入後しばらく経過後にアンケートを行い、どのような効果や問題を感じているかお聞きすることとしました。アンケートには、現場、管理職、役員が回答してくださいました。

 アンケートには、業務効率化や課題が解消したという効果や、利用する上での課題など、様々な回答が寄せられました。
その中で、半数程度の人から
「会社の業績や効率に興味をもつようになった」
「非効率な箇所を見つけ、改善しようと思うようになった」
という回答があり、非常な喜びを感じました。
現場と話をしていても、愚痴ではなく、「こうしたい」という前向きな意見が徐々に増えてきているのを感じます。また、現場主導の改善も散見されるようになりました。

 各担当者は現場を知り尽くしており、課題をもっていますが、声が届かないと愚痴になります。IT化など、プロとして手助けすることは多くありますが、改善のタネを持っているのは現場です。本人にはお礼とともにフィードバックを行い、自分の意見で会社がよくなったことを実感してもらう。この繰り返しが効いたのではないかと思います。

 ちなみに、施策の導入に抵抗していた方は、今では社内で一番のヘビーユーザーとなっており、社内の浸透にも取り組んでおられます。力強い味方です。

 ITの仕事は、システムを中心に据えた仕事だと見られがちですが、人の力を引き出し、組織やビジネスを変えていく仕事です。変化する場に立ち合い、ITで力添えすることができる幸せな仕事なのです。

拙い文章をお読みくださり、ありがとうございます。

kiitos!

キートスリンクという名前について

 本日は、キートスリンクという名前について、お話ししたいと思います。

 2013年の夏、一人でフィンランドに行ったときのこと。
新卒で入社した会社を退職する直前という時期で、海外経験もほとんどないので、期待と不安でいっぱいでした。フィンランド語を少し覚えていったものの、ヘルシンキは英語が通じますし、トラムが整備されていて動きやすいため、観光を楽しみ、すぐに街にも慣れました。

 フィンランド国立博物館を訪れ、受付でチケットを購入したところ丁寧に案内を受けました。感じがとてもよかったので、kiitos (フィンランド語で”ありがとう”)とお礼を言ったところ、受付の女性がパッと笑顔になり、声も快活に、「自由に写真撮っていいからね!楽しんできてね!」と送り出してくれました。

 英語やジェスチャーでも会話は通じていました。ですが、大袈裟ですが、相手のことばで感謝を伝えることで、世界が広がり、つながったように思います。この思いを忘れないよう、社名に込めました。

 最後までお読みいただきありがとうございます。みなさんの感謝がつながり、広がっていきますように!

kiitos !

法人設立にあたって

 はじめまして。株式会社キーストリンクの久田です。

 このたび、6年間にわたる個人事業主としての活動を経て、株式会社キートスリンクを設立しました。個人事業では、会社勤務時代や大学院で出会った方々の繋がりでお仕事をご紹介いただき、さらにたくさんの方と繋がることができました。皆様に厚く感謝申し上げます。

 一方で、個人事業主という形態では、契約時などお客様にお手間をおかけすることがありましたし、私事都合により業務の継続に不安を感じることもありました。このため、個人事業主とうい形態に限界を感じ始め、法人設立に至りました。

 コロナ感染症下において、事業環境は劇的に変化しており、企業の皆様におかれましては、急激な変革を迫られていることと思います。企業様、そして企業価値の源泉である現場に寄り添い、微力ながら改善やIT化の力になれれば幸いです。

 最後までお読みいただきありがとうございます。株式会社キートスリンクをどうぞよろしくお願いいたします。

kiitos !